2010/11/27

二条駿河屋さんの『嵯峨菊』

白生地やは街なかの木々を拝見するばかりですが、京都は秋晴れに紅葉がまこと見事でございます。
連日車の渋滞がお気の毒ではございますが、どうやら更に見頃を迎えたのがこの週末のようです。

さて、なかなか名所には向かませんが
京都は二条城より東に二条駿河屋さんがございます。
ただ今ウィンドウにはおじ様が天塩にかけていらっしゃるお花がお目見えし、秋の二条通りを彩っております。

101127嵯峨菊でございます。

この画像は拙宅にて投げ入れたもので たいへん恐縮ではございますが
ご覧になっていくつのお色がご確認いただけますでしょうか。


繊細な花弁と豊かな芳香を放ち、秋の風情を楽しませていただいております。
美味しいお菓子と合わせて五色の嵯峨菊もお楽しみくださいませ。

お花が好きな方は駿河屋さんのご主人とのお話もはずまれると存じます。

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2010/05/12

二条駿河屋さんのアマリリス。

わたしが気づいたのは連休の頃だったでしょうか。
お向かいの二条駿河屋さんの店先に咲き始めた大輪のアマリリス。
大輪にもかかわらず、清楚で静かな佇まいに うっとりと眺めてしまいます…。

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母も 「本当にきれいですねぇ~」 なんて 二条駿河屋さんのご主人さまとお話しするうち、ひと鉢を我が家の庭でじっくり愛でることができるようにと渡してくださいました。

日当たりが十分でないのですが、そこはご主人さまが大切に育ててこられたアマリリス。
見事に咲きそろいました。
大輪の様子が少しでも伝わるように みやこわすれ の横に置いてみました。

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カサブランカのような香りがほのかに漂います。
今が満開でしょうか。
お近くにお越しの折には二条駿河屋さんの店先に咲くアマリリスをご覧いただくのはいかがでしょうか。
アマリリスのおとなりは てっせん でしょうか。
素敵ですよ~。

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2009/08/08

『さつまいも』から『朝顔』!!

白生地やのお向かいさん、二条駿河屋さんのご主人とは 代を経て ありがたい長いお付き合いでございます。
Dsc07262ご主人の手技で生み出されるお菓子の美味しさ、美しさは 私が申し上げるまでもなく、お茶席はもとより 広く皆さまに愛されていらっしゃいますね(写真は今朝の二条駿河屋さん)。
ところで、先日 京都新聞にて拝見いたしましたのは いつものお菓子とは違い、ご主人のご趣味である園芸についての記事でした。

『サツマイモに接ぎ木 アサガオ開花』 中京の経営者

P2009073000040サツマイモに接ぎ木し、かわいい花を咲かせたアサガオ(京都市中京区)
 京都市中京区の和菓子店経営甲和憙(かぶとかずき)さん(71)が、サツマイモに接ぎ木して育てたアサガオが、薄紫のかわいい花を咲かせている。10年ぶりに栽培して成功し、「帰省する孫に見せてやりたい」と顔をほころばせている。
 アサガオとサツマイモは同じヒルガオ科。接ぎ木をするとサツマイモの栄養で育つ。園芸が趣味の甲さんは1977年、幼少期に見た記憶を頼りに接ぎ木に初挑戦し3年がかりで花を咲かせた経験がある。
 今回は5月末に接ぎ木して育て始めた。イモの成長力が旺盛なため、あとから出てくるイモの芽をこまめにつみ取って世話を続け、7月17日に見事な花を咲かせた。
 甲さんは「アサガオの苗をどこで切れば接ぎ木ができるか、コツが分かった。来年も挑戦したい」と話している。花は8月いっぱい咲き続けるという。

          Kyoto Shimbun 2009年7月30日(木)より転載


園芸には とんと疎い私も店先の鉢とお写真を前に ご主人にお話を伺ったのです。
Cimg0547サツマイモの入手はもとより、発芽したアサガオの生育状態や接ぎ木のタイミングなど、いろいろ試行錯誤なさったうえでの賜物なんですね。園芸も生き物相手ですから 個体によって様々だそうで、見事な接ぎ木の成果に今日もアサガオは開花しています。
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子どもの頃のご体験から手がけられた サツマイモに咲くアサガオ、まだまだしばらくの間 毎日楽しませていただけそうです!

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2007/05/06

『子犬のカイ』君の、その後。

飛び石だったこの連休は ゆっくりとご家族とのお時間を過ごされた方もいらっしゃることでしょう。私の連休は わわわーっと過ぎてしまい、今頃にほっとひと息ついています。

実は子供の日を前に、嬉しいニュースが飛び込んできたんです!

昨年出版された 愛犬を家族に持つ身には共感の嵐が吹き巻く清野恵里子さんの著書 『子犬のカイがやって来て』 のあとがきにありますが

英国盲導犬協会五十年の歴史を背景にして、我が国に素晴らしい盲導犬の子孫を残すという、栄誉あるミッションを担ってやってきたワンコである

カイ君、昨年の3月にはすでに 7匹のパピーたちのお父さんになっていたのです(そしてその子たちは恐らくこの5月にも盲導犬になるための訓練を始められるのだとあります)。

嬉しいニュースはまた、この4月にも元気な赤ちゃんが誕生し、なんと去年と合わせて30匹の子供たちの立派なお父さんなんだそうです。その中の お母さん・ラナちゃんと一緒に過ごすかわいい9匹の赤ちゃんたちの様子が拝見できます(2007年4月10日以降)。

本当にかわいい赤ちゃんですね、カイお父さんっ!

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**おめでとうございます**

ほっとひと息入れるために またまた『子犬のカイがやって来て』を手に、「犬に笑い、犬に泣き。」体験してしまいました。

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2007/03/01

私の「お誂え訪問着」の締めくくり。

この度のお誂えにお支払いした金額を最後に記載しておく。

これは私のこの生地、この柄、この工程(結局縫い紋も含めてあまりお直しをしていません)での費用であって、柄によってはお高くなったりお安くなったりするものである。特に柄に関しては、同じような絵柄であっても 凝れば凝るほど技術を要し、高価になる。また、凝った柄ほど柄合わせが大変なことから お仕立代が高くなっていくものなのである。

それが現実であり 一体一枚の着物にいくらほど掛かるのか分からない状態では、誰もお誂えなどできないのではないだろうか。そして染め上がりのお品物を沢山見て、最も気に入ったものを選ぶことになる。気に入れば、それはそれで何より良いことである、と私は思うのである。

店の本棚に無造作に並べられている数十冊の上品會の本。美しい装丁は目を引き、いつしか手に取って見るようになっていた。新婚旅行の思い出を込めてオットが作ってくれた訪問着を丸洗いに出したとき、一つひとつの柄から下絵を描いていたオットの姿を思い出しながら、その色合いがこれから年を重ねていくに連れて着にくくなるだろうことを改めて感じた。そして もう一度、今度は私の思いをかたちにした訪問着を作りたい、と思ったのである。
上品會の本を見て 自分の好みの「雰囲気」を持っていた私は、まず価格設定から入った。
京都の、職人さんたちの手仕事でのその価格を、およそ50万円とした。価格にあわせて好みの柄を オットや職人さんと相談しながら進めていった。その結果である。

・生地 浜ちりめん 高砂七号四丈物 一反 ¥30,000
・絵羽仕立 ¥4,000
・下絵   ¥50,000
・糊置き  ¥30,000
・友禅   ¥330,000
・刺繍紋  ¥15,000
・胴裏地  ¥7,000
・袷訪問着仕立代 ¥30,000
小計 ¥496,000
消費税 ¥24,800
◆合計金額 ¥520,800

以上です(疲れた…)。
これを 各工程ずつお支払いしてきたので、分割払いでした。昨日最後の¥37,000+消費税¥1,850を支払いました。
本当に色んな思いのこもった訪問着になりました。
おわりです。

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この題材は、白生地や(私)が京都の職人達の手で友禅染で誂える自分で着る訪問着です。一連の流れをご覧になる場合は、カテゴリーから趣味を選んでくださいませ。ありがとうございます。

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2007/02/27

お誂え訪問着 -仕立上がり-。

白生地やのお誂え訪問着、「広沢の池」 が仕立てあがってきた。私の生まれ育ったところ、変わらない風景を身に纏いたいという願いがこうして形になった。低く丸い山々に見守られるように、未だに多くの支えに恵まれている自分を見つめて 改めて感謝の気持ちを忘れずに こんな私でも何かの役に立てるよう心がけ続けたい。

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白っぽく見える地色は 実は鳩羽鼠色(はとばねずみいろ)、グレーがかったベージュ色である。
その色を上品に このひなびた風景を立たせる程度にまで淡くした色である。この色づかいはこの白生地屋の悉皆仕事をさせていただく上で重要な 腕の良い職人さんのセンスと技術が集結したものである。
今回下絵職と友禅職を少し離れた位置にいらっしゃる方々に御願いしたので、「下絵を置く時から色を思い描く」という友禅方では少しばかり色挿しには不便があったかも知れないが、私は大満足である。
山々の広くて深いボカシと さくらやもみじに挿された美しいボカシの対比、ひなびた風景の中に効かせどころが生きている。今の私にはちょっと地味目かも知れないが、この訪問着は実は子供たちの次の晴れの場で活用させるつもりで誂えたのだから それで良いのである。

本当は身に纏った姿を記念に撮りたかったのだけれど 相変わらずこまごまとしたことで落ち着かないのでそれは少し先送りである。この訪問着を通して味わった「自分だけのお誂え」というよろこびを 同じ願いを抱かれている方のおよろこびに生かしていきたい。

ありがとうございました。
近々、費用などをまとめた記事をアップします。

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この題材は、白生地や(私)が京都の職人達の手で友禅染で誂える自分で着る訪問着です。一連の流れをご覧になる場合は、カテゴリーから趣味を選んでくださいませ。ありがとうございます。

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2007/02/11

訪問着の失敗-刺繍紋-。

その後 私のお誂え訪問着は現在お仕立方で着物に生まれ変わっているところである。

刺繍紋はその仕上がりに満足しないまま お仕立に回した。オットにとっては白生地や(私)の半ば感情入りの刺繍紋への不満を聞くゆとりや時間もなく、私もとりあえず自分の感情は一旦冷ます必要も感じて染め上がった反物を形にするべく先にお仕立方に手渡すことにしたのである。

まぁ、見てください。
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左のような見事な刺繍紋をいれてくださる 同じ刺繍方の仕事として、右の私の片喰の刺繍には見るたびに絶句してしまう。

この件で学んだことは 通常の刺繍では紋をグラデーションで表現することは技術的には難しいということである。むしろ細かい柄の方が刺繍の技は生かされ、片喰のようにパーツの少ない柄には単色で入れるべきであった。

前向きな気持ちで萎える心を奮い立たせてこの『訪問着の失敗』を記事にしつつ、良い勉強にはなったと思うも授業料は高くつくのである。何よりこれがお客様からお預かりしたお品物でなくてつくづく良かったと思う。
「紋刺繍がプロ」の刺繍方ではなく、「柄刺繍のプロ」に任せるべき仕事であった。が、その場合のご予算は結構な心積もりを必要とするだろう。
お誂え訪問着。
仕立上がれば 単色にて刺繍のお直しをする。

(以下 2007年2月14日に追記)
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この題材は、白生地や(私)が京都の職人達の手で友禅染で誂える自分で着る訪問着です。一連の流れをご覧になる場合は、カテゴリーから趣味を選んでくださいませ。ありがとうございます。

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2007/02/04

浴衣作り。

なかなか進まない刺し子作業。

070204時間をさいてじっくりと取り組めないのがいけない。でも、子供がらみの行事が一つずつ無事に収まってきているので この作業にもそろそろ本腰を入れたいところ。

がんばれ、私。
先は長いけれど。

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2007/01/26

浴衣づくりのお道具。

さて、浴衣作り。昨年の作業の大変さもすっかり忘れてしまっているので、制作手順とお道具をおさらいしてみた。

070126まずは糸と針。30番手の白の綿糸を二本取り。針はクロバー株式会社 または みすや針 の もめんぬい針・「つむぎえりしめ」。太過ぎず、長いことが条件である。わざわざ購入するのではなく、お針箱を開ければ針山に 必ず数本は控えている。毎年針供養の際に「智福御針」としていただくお品物なのである(ビニールケースにはクローバのお針が2種と糸通しが入っている)。また、シボ柄作りの波縫いは 指ぬきでは間に合わない。私の場合 長い針が人差し指と中指の付け根・手の平部分に当たるので、そこに皮を当てる。

およそ5mmの針目で25cmの波縫いを これから延々と刺し子する。上前身頃・両袖・上前衽でおよそ1丈9尺3寸。つまり7m33cmである…。波の間隔は適当でバラつきが出る。その時の感覚で進める。

まぁ、気長に楽しくいきましょう。

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2007/01/25

趣味だけど大仕事。

私の仕事上の大切な知人が 例の浴衣 を気に入ってくださって、「白生地やさん、どうぞわたしにも作ってくださいな。」などとおっしゃって、最初は冗談だろうと断り続けていたものの、お目にかかると浴衣のお話しになるのでついに引き受けてしまったのが昨年の10月だったろうか。単純作業でありながら 時間と労力を必要とする大仕事になるが、これは白生地屋としての仕事ではないので、立場上 家族に気を使う。

そろそろ始めようかと数日前から家族にアナウンスをし、どうやら了承を得たようなので(ハハなどは応援さえしてくれた) まずは本日しじらの浴衣地に彼女の寸法を墨打ちし、いよいよ二枚目となる縦絞り柄の浴衣作りが始まった。

0604251『生地は、しじらの浴衣地。経糸:綿100%、緯糸:綿70%・麻30%でシャリ感をもつ。¥3,150/反というのも、私には嬉しいお値段。』とは、昨年と同じ画像とコメント。

今回は父の助言もあり、上前衽にも絞り柄を入れることにした。
さて、彼女の喜ぶ顔を思い浮かべながら 精を出して頑張ろう!根が単純なだけに、わくわくしてきた。

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