この度のお誂えにお支払いした金額を最後に記載しておく。
これは私のこの生地、この柄、この工程(結局縫い紋も含めてあまりお直しをしていません)での費用であって、柄によってはお高くなったりお安くなったりするものである。特に柄に関しては、同じような絵柄であっても 凝れば凝るほど技術を要し、高価になる。また、凝った柄ほど柄合わせが大変なことから お仕立代が高くなっていくものなのである。
それが現実であり 一体一枚の着物にいくらほど掛かるのか分からない状態では、誰もお誂えなどできないのではないだろうか。そして染め上がりのお品物を沢山見て、最も気に入ったものを選ぶことになる。気に入れば、それはそれで何より良いことである、と私は思うのである。
…
店の本棚に無造作に並べられている数十冊の上品會の本。美しい装丁は目を引き、いつしか手に取って見るようになっていた。新婚旅行の思い出を込めてオットが作ってくれた訪問着を丸洗いに出したとき、一つひとつの柄から下絵を描いていたオットの姿を思い出しながら、その色合いがこれから年を重ねていくに連れて着にくくなるだろうことを改めて感じた。そして もう一度、今度は私の思いをかたちにした訪問着を作りたい、と思ったのである。
上品會の本を見て 自分の好みの「雰囲気」を持っていた私は、まず価格設定から入った。
京都の、職人さんたちの手仕事でのその価格を、およそ50万円とした。価格にあわせて好みの柄を オットや職人さんと相談しながら進めていった。その結果である。
・生地 浜ちりめん 高砂七号四丈物 一反 ¥30,000
・絵羽仕立 ¥4,000
・下絵 ¥50,000
・糊置き ¥30,000
・友禅 ¥330,000
・刺繍紋 ¥15,000
・胴裏地 ¥7,000
・袷訪問着仕立代 ¥30,000
小計 ¥496,000
消費税 ¥24,800
◆合計金額 ¥520,800
以上です(疲れた…)。
これを 各工程ずつお支払いしてきたので、分割払いでした。昨日最後の¥37,000+消費税¥1,850を支払いました。
本当に色んな思いのこもった訪問着になりました。
おわりです。
――――――――――――――――――――――
この題材は、白生地や(私)が京都の職人達の手で友禅染で誂える自分で着る訪問着です。一連の流れをご覧になる場合は、カテゴリーから趣味を選んでくださいませ。ありがとうございます。
最近のコメント