羽織の墨打ち。
刺繍教室からご依頼の 羽織の絵羽仕立の御用をさせて頂いた。
これまで着物のお仕立御用において 初めて手がけるものには義母に頼ってきた「白生地や」だけれど、今回は教科書(図説きものの仕立方 村林益子著 紫紅社)を見ながら一人で墨打ちをした。
難をもたない生地のうえ 柄合わせも不要なお品物であったので、羽織の基本を学べる良い機会と 裾の返りをなるべく多くというご要望をくんで慎重にさせていただいた。
さて、羽織はマチと袖口布を 突合せにした上前・下前の前身頃から続けて取る関係で、生地を裁断する際 衿ぐりも裁たねばならず、それは仕立方の仕事となる。衿ぐりの裁断ほど晴れがましいものはなく、責任重大である。通常 絵羽方では鋏を入れるのは嫌うもので、この羽織の絵羽仕立は昔から頼りにしてきた地元の仕立方にお願いした。私の墨打ちを図解した寸法メモも一緒に渡し、羽織の絵羽は無事仕立上がった。
羽織にはこれからお教室のお弟子さんの手によって刺繍が施されるだろう。
素敵な刺繍の羽織。お仕立にかかる日が楽しみである。
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