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2006/11/09

水屋用の生地のご注文。

今年の6月に見本を持って見えたお方が先日ご来店くださった。その見本とは奉書に包まれた「布巾・雑巾・手拭」が一枚ずつ。生地巾 鯨尺1尺足らずの麻と綿の白生地でできた裁ち目をかがったお品物のセットであった。お教場の皆さんで そのお品物たちを手作りしてみようという試みで 白生地を探していらしたのである。

綿の白生地は厚さも巾も見本通りのものがあったが、麻の白生地は巾が合わなかったり生地の風合いやコシの強さが微妙に異なり、機屋でも該当するお品物がなかなか見つからなかった。が、ようやく一反分(1/2 疋)だけぴったりなものが店の奥から出てきた。

その現品をお確かめいただいて、今日、お納めするために白生地をそれぞれの縫い代を加えた寸法に合わせて裁断した。布巾(麻生地63cm)・雑巾と手拭(綿生地で52cmと63cm)をそれぞれ24枚ずつ。小巾だったので枚数の割りには疲れない仕事であった。

さて、この麻という生地。お茶道具としての茶巾には「奈良晒」のお品物が一般であるが、最近はなかなかご注文がなく、常は店には置いていない。また、ご注文をいただいても 一疋単位(およそ24m)でのお取引になるという。一枚の茶巾はかがり代をいれても15cmほどであろうか、実に160枚分に当たる。また、今回ご注文の布巾としてご使用いただいても38枚分である。
奈良晒…、お稽古には欠かせないお品物だけれども 店で再会できることってあるのだろうか。そんな思いで裁ち仕事をした。

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