下絵方にて。
さて、私のお誂え訪問着である。
先週明け、オットが下絵方まで足を運んでくれた。
元絵と写真と参考書(上品会の)、そして総絵羽に仕立てた白生地を持って。
私は絵のセンスなど持ち合わせてはいないので
訪問着の柄はこの下絵方の力量に頼るのである。
訪問着でも 最も晴れがましいのは 上前のスソである。
上前オクミと上前身頃に配される柄が
広沢の池をどのようにアレンジしてくれるのかが楽しみである。
オットに託したのは、小さな池の周りのひなびた田畑と遍照寺山、
そして京都盆地を包み込む丸くて低い山々の取り合わせ。
そこには 春は桜、秋には紅葉とたなびく野焼きのけむり…。
あぁ、いいなぁ。広沢の池…。
参考絵図として示した参考書の作品は どうやら素描(!)であったらしく、素描と友禅とでは映える柄が異なるものだという。
友禅の方がカサが出るというので、柄行きを友禅用に配慮される。
上前の柄が重いと、胸・肩・両袖、全体に重厚になっても着にくいお品物になってしまう。
そのバランスは プロに任せるべきであろう。
この元絵の主な変更点は、まず、池を小さく(柄の隠れる下前にかかってしまっている)。細かい山を大きな連なりに、全体に広がる感じにする。松の木を大きくする。などなど。
前身ごろに桜、胸肩あたりには桜と紅葉と山が入るという。
これでこの訪問着は春秋問わず着ることができる。
東海道五十三次などでお馴染みの歌川広重の版画を参考にしたような雰囲気で仕事に掛かってくださっているという。
「広重の版画」の意味を問うたところ、柄にも息を抜くところと詰めるところというものを意識する、ということである。
それは願ったりのことで、私にも予算というものがあるので あまり重厚すぎた訪問着も困るのである。
せいぜい手は抜かず息を抜いていただいて、技巧は次の染め段階にてきっちりした仕事をお願いしたい。
帯下など、隠れる部分には柄は入れず、その分費用を抑えたいものである。
9月20日頃に下絵が上がってくる。
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