白山紬 広巾を裁つ。
一般に白山紬は風呂敷などに用いられることが多いお品物である。
染色作家の方にはこれが作品として用いられることも多い。
ここしばらく取り掛かっているお仕事の一つに、ある染色家の方が京都のあるお寺に納められる大掛かりな染め物の下準備がある。
いく種類かの異なる巾の白山紬をご注文いただき、主人と手分けして、私は「四巾16m」を手がける。
作品の大きさに合わせて おおよそ140cmの巾を16mにわたって124cmに裁つ。
裁ち目は職先でロックミシンをかけてもらって、次に16mを2mX8枚とする。
それを一本の芯棒に巻き終え、お納めする準備ができたところである。
この作業をする中、以前に拝見したことのある白山紬に描かれた下絵を思い浮かべていた。
繊細だけれど、確かな線が観音様を思わせるお姿を描き出されており、その眼の表情がとても忘れられない。
白生地屋として扱わせていただいている白生地も 作家さんにとっては作品の素材であり、品質はもとより 私や職人たちが下準備する段階でも ひとつひとつ 丁寧さが求められていることを感じている。
来年にでも、もし公開されるならその時には是非拝見してみたい。
染色作家さんには古くからのご愛顧をいただいている方もおられ、鳥羽さんのように学生時代からお付き合い下さっている方もいらっしゃる。
今、若いクリエイターとして頑張っている方たちにも また、染色活動で帛紗や半衿などの御用を受け賜っている方々にも 心から応援する気持ちで良い品質の白生地を丁寧な扱いでお納めしていきたい。
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