つづれふくさ。
京都あたりに限られたものなのだろうか。
婚礼道具として「ふくさ」を実家の母が用意して持たせてくれた、八寸角(鯨尺 巾八寸 丈八寸八分)である(十五年ほど前のこと)。
結納のときにはオット側から、広蓋(黒塗りの進物台)の上に水引熨斗などの結納飾りに目録を添えてのせた上に定紋を表にした「ふくさ」が載せられていた。
「中」の大きさ(鯨尺 巾一尺四寸 丈一尺五寸五分)であるこのふくさは、緑地に紋と名の染め抜かれた白山紬の外包み(風呂敷)に 同様のちりめんの中包み(風呂敷)の中に三つ折にして載せられていた。
さて、店ではお誂えの風呂敷を扱うので、婚礼準備として広蓋・各種風呂敷・そして「つづれふくさ」も取り扱っている。織元は御室にあったが、今は滋賀県の方でも同じ名前で続けていらっしゃる。
現在、「つづれふくさ」は機械織と手織りの二種が一般的である。
こちらは「本綴式ふくさ」(機械織)柄見本写真である。古ぼけているものの、お客様に提示するもので現役で活用している。
以下は「爪織つづれ」(手織り本綴れ)の40種もある柄見本の中の一部である。
手織りである「爪織つづれ」のふくさには、緯糸を模様ごと、または色が変わるごとに折り返して織るため、自由な図柄に対して色数や模様に忠実な表現ができるという。また、見た目の特徴として、異なった色と色の境目(糸の折り返し点)には経糸にそってハツリ孔と呼ばれる空間ができることと、無地の部分を除いて布幅に通った横糸がないということもあげられる。そして何より、表裏の柄が全く同じになるのである。左右対称の定紋の場合、年を経ても裏返して使い続けることができるという。
店のウェブページのリニューアル作業で得た内容であるが、とても素晴らしいお品物である。
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