白生地の裁ち方。
家紋と名前を染め抜いて入れる正絹の風呂敷。
お誂えのご注文を承る。
うちでのお取り扱いは、
白山紬とちりめんの風呂敷が主である。
生地を、風呂敷の寸法に裁とうという時、
別件にて、ご趣味の染色用として持ち帰られる
ちりめんの生地を、即刻十枚裁つことになった。
白山紬とちりめんでは裁ち方が異なる。
疋単位で巻かれた状態の白生地は、
風呂敷用の白山紬なら、あらかじめ八枚ごとに
墨打ち(糸印をつけること)を、しておく。
端から一つ目の印まで、
半分に畳んだ、折り目のところまでが四枚分。
そのまた半分が二枚分。
と半分畳みを繰り返して一枚分の裁ち目を定める。
その裁ち目に、少し鋏を入れ、糸を引いた筋道に従って鋏を進める。
画像では、真ん中辺りに走った一本の影が、筋道である。
ちりめんは、巾によっては用途が多く、墨打ちをしていないものもある。
用途に応じた寸法を、差しで実測して裁ち目を定める。
糸を引いても『しぼ』の高いちりめんの筋道は見え難い。
だから、糸目(の畝)を見て鋏を進める。
ちりめん、糸目の画像。手前がピンポケだが、
上端の糸目が見えるように生地を斜めに撮った。
そしてどうやら私の鋏は遅いらしく、横から助け舟が出た。
さすがに速い(なんと五倍速!)。
「しぼ」の高さが鋏を進めるという。
まだまだ何事も積み重ねだと思った。
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