墨打ち(すみうち)
今、ある染色(および刺繍)教室からちりめん小巾四丈の白生地にいただいた仕事に取り掛かっている。通常のきもの地であるこの生地を五人分、五反をお買い求めいただき、それぞれご本人が選ばれた色に無地染めを施したところである。鉄色、ねずみ色、薄い紫が各一反とベージュ二反の計五反である。
五人分のきものの寸法に最終確認が取れたので、明日からそれぞれに墨打ちなる仕事を始めようと思う。
墨打ちとはきものの各部位の寸法を取り、生地に印を入れていく仕事である。着丈、袖丈に始まって標準寸法を好まれない場合は衿巾や衿下寸法など細かいご指示のもと、上前身頃、下前身頃、(衿)衽、左袖、右袖、八掛を順次取り進み、糸印を付けるのである。印を元に生地を裁ってきものが仕立てられる。日頃私達は(鯨尺の)二尺差しを用いて尺寸で寸法を取るのだが、cm単位でご指示いただいている方もいらっしゃって一尺=38cmに換算しながらでの作業になる。順次五反も手がけるので、間違わないよう、ちと緊張している。
今回は生地を裁って仮絵羽という状態にして納めることになっている。ということは墨打ちをして、生地を裁つまでが私の仕事である。
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