2020/08/27

2020年8月

2020年(令和2年)新型コロナ感染症の拡がりの影響で 三浦清商店でもマスク着用のうえ アルコール消毒薬の設置と店内の換気を意識して営業させていただいております。

白生地卸商を営んでおります三浦清商店では 広巾から八寸までのお品物を 絹地では白山紬はじめ丹後ちりめん・五泉の羽二重・信州紬・その他富士絹や服地を、また 綿麻生地を 変わらずご利用いただけるよう揃えております。

今後とも 変わらぬご愛顧をお願いいたします。

このブログ ココログが 2020年9月1日までに新たな記事の投稿なければ削除されるということで 変わらぬ様子をご案内させていただきました。投稿数は少ないですが 日々の様子はFacebookにてご覧いただけるようにしております。

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2017/12/09

2017年12月5日 清野恵里子さん『咲き定まりて 市川雷蔵を旅する』 発売。

清野恵里子さん著 『咲き定まりて 市川雷蔵を旅する』 が発売されました。
これまで 清野恵里子さんにはご自身の造詣の深さと美意識から著わされる きもの、古美術、工藝の魅力に惹かれてきたものですから わたしにとって市川雷蔵は 黒い着流し姿で刀身を光らせながら見せた円月殺法の眠狂四郎で、この 『咲き定まりて』 、清野さんが今なぜ市川雷蔵なのか それがいちばん気になるところでした。

 

そこでさっそくお届けいただいた『咲き定まりて 市川雷蔵を旅する』を拝読いたしました。

 

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実は11月も終わりのころ、清野さんから 「きれいな本ができました!」 と弾んだ声でご一報をいただいておりました。
A4判・ハードカバー・324ページの本を手にして まず、市川雷蔵の白黒フィルム画像のカバー表紙を開いたその瞬間、すてきな驚きとともに 清野恵里子さんの 「市川雷蔵への旅」 に惹き込まれました。

 

序章で語られるのは いちばん気になっていた 清野さんが 『市川雷蔵という「ひとり」の役者への尋常ならざる傾倒が始まった』 背景です。さてそれから3年にわたり 市川雷蔵その人の 1954年のデビューから病のため帰らぬ人となった1969年までの159本もの作品や膨大な数の資料をもとに研究を深められて書かれています。まったく知らなかった市川雷蔵の姿が清野さんの手でひとつずつ明らかになっていきます。

 

『咲き定まりて』は 市川雷蔵その人の、姿麗しい俳優の枠を超えて 資質をもったうえに努力を重ねて才能が開かれるに伴って 時代の移り変わりによる日本映画の栄枯盛衰を具体的に知ることができます。
構成は 序章に始まり 作品の年代によって 映画界デビューの1954年から1959年の間に8稿、映画隆盛期1960年から1962年の間に12稿、眠狂四郎が始まった1963年から1969年に8稿、終章に続き 市川雷蔵略歴、市川雷蔵フィルモグラフィ、参考文献、エンドロールにかえて、が付記されています。

 

『咲き定まりて』は贅沢にも 全編すべてに実際の映画から画像が挿しいれられています。カラーではありませんが、その点は 着物の柄、色の取り合わせにとどまらず、着物での立ち回りなどをすっきりと魅せる裏方さんのアイデアや 映像の背景に盛り込まれた効果や技術など 清野さんがすっかり明かしてくださっています。この時代ならではの 職人のような裏方のこだわりが至る所で生きた手作り映画とでもいった感じを味わえてとても面白いです。

 

また、市川雷蔵を軸に 共演者の顔ぶれがまた楽しいのです。
勝新太郎との共演四作目にあたる「柳生連也斎 秘伝月影抄」の稿などでは若い勝新太郎の画像が見られ、二人のエピソードもとても味わい深く、京マチ子、若尾文子、中村玉緒、その他当時の瑞々しい若さが溢れた画像もすてきで必見です。

 

 

映画そのものが好きという方にとっては映画最盛期にあって 引っ張りだこであった俳優 市川雷蔵作品の制作現場の様子がエピソードとともに明かされており、他では知りえない素顔やスタッフとの親交の深さ、人となりに触れることとなり、たいへん味わい深い内容となっています。雷蔵作品を通した溝口健二、三隈研次などの監督たちの逸話も欠かせず、わたしは個人的にとても懐かしい工藤栄一監督についても記述があり それだけでもうれしいものです。

 

とにかく膨大な量の資料の中から 清野恵里子さんの感性で著わされた雷蔵その人と雷蔵映画。とても濃い内容です。読後いちばん感じたことが 市川雷蔵の早世がとても残念だということです。

 

 

12月5日より発売されています。
ぜひ お手に取って清野恵里子さんの雷蔵論に触れてみてください。

 

咲き定まりて -市川雷蔵を旅する‐
清野恵里子 著
定価 本体2,400円+税
ISBN 978-4-7976-7348-7 C0095
発行 集英社インターナショナル
発売 集英社

 

 

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2017/06/06

2017年6月 -麻の帯地というならば-

梅雨入りのこえがそろそろ聞こえてくる頃になりました。
装いにも涼しげなお品物に手が伸びてしまいます。


つねづかい とのことで 麻の帯地へのお問い合わせをいただきました。
三浦清商店では とくに麻の帯地として反物ではお取扱いがなく どちらかといえば 野趣味あふれる麻糸をつかったものをお勧めしています。

九寸巾は通常の帯地と同じように 帯芯を付けて仕立ててご利用いただけます。生成りと晒のご用意がございます。

八寸巾は かがり帯として。こちらも生成りと晒のご用意がございます。
お好みに応じてご利用いただきたいお品物です。

帯としての用尺は 1丈3尺ですが ご入り用分だけ切売りさせていただいております。
九寸巾麻生地 ¥950/尺(税別) 2017年6月現在
八寸巾麻生地 ¥750/尺(税別) 2017年6月現在


九寸巾麻生地 晒
※残念ながら在庫限りで欠品となります。ご入用の際には在庫をお電話またはメールにてご確認いただきますようお願いいたします。
Asa36sarashi

九寸巾麻生地 生成り
Asa37kinari

八寸巾麻生地 晒
Asa30sarashi

八寸巾麻生地 生成り
Asa30kinari


以上です。

この生地のまま帯に仕立ててご利用の方も少なくありません。
帯の仕立てもご都合に合わせてご相談いただければ嬉しく存じます。

三浦清商店

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