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2004/01/18

初笑い親子狂言会。

茂山狂言による恒例、初笑いおやこ狂言を鑑賞した。昨年、烏丸一条より一ブロック南の場所に移転を果たした金剛能楽堂において初めての会であった。
演目は、午前の部/蚊相撲・附子・蝸牛、午後の部/千鳥・飛越・末広がり 、であり、私達は「日本語であそぼ」でもおなじみの蝸牛を含む午前の部を楽しんだ。開場の十五分ほど前にはすでに長蛇の列ができていた。入場後、御簾席という「御簾の掛った四人掛けのベンチ状ソファーと椅子八脚をしつらえた空間が仕切ってある席」の前に出されていた補助席のうち、舞台正面の場所に座ることができた。三間四方(十八畳)の舞台背景である奈良の影向(ようごう)の松が描かれた鏡板は、百年以上受け継がれてきた重みを十分に味わえる物であった。

さて、三演目のなかで唯一面(おもて)を用いた蚊相撲だけが今回初めての鑑賞となった。大名(豪族)の言い付けでおかかえの相撲取りを「上下の街道(都へ通じる大街道)」でハントした太郎冠者は、蚊の精がなりすました男を誤って屋敷に連れて帰る。大喜びの大名がお白州での取り組みを一番申し出る。ここぞとばかりに蚊の精は大名に長いくちばしを突き立て血を吸い、目を回したことでその正体に気付いた大名と太郎冠者は蚊の嫌う風を扇で送りながら蚊を捕らえ、くちばしを抜き、投げ飛ばすといった筋である。
蚊の精に使用された面は「うそふき」といい、口笛を吹くという意味の名前の通り、ひげの生えた口をとがらせ、ほほを膨らませた造りであるらしい。劇中白い紙でできた一尺ほどの「こより」をくちばしに見立てて血を吸う瞬間を表現していたのも分かりやすくて面白かった。

附子はこれまでにも幾度となく鑑賞しており、なじみな一題。蝸牛では「日本語であそぼ」で聴きなれた囃子がとても愉快なシチュエーションで使われていることを知った。
かたつむりを見たこともない太郎冠者が祖父(おおじ)の長寿薬として探してくるよう主人にいいつかって竹薮に向かう。伝えられたかたつむりの姿が「黒い頭、腰に貝殻、たまに角を出し、人ほどの大きさのものも居る」というものだったので、竹薮で爆睡する山伏に「もしや、あなたは蝸牛ではないか?一緒に来て欲しい。」と声をかける。眠りを妨げられた山伏は気分を害しながらも、太郎冠者の間違いに「なんとあほな太郎冠者」と言いつつしばらく楽しんでやろうとからかいに出る。「蝸牛は囃子物がないと動かない」と言って太郎冠者に謡わせるのが「雨も風も吹かぬに、出ざ釜うち割ろう」で、「でんでんむしむし」は山伏の合いの手の囃子であった。二人が囃子物に浮かれているところにやってきた主人が太郎冠者を叱るが、ついには巻き込まれて三人とも浮かれ続けて退場するというもの。とても愉快だった。今思い出しても笑ってしまう。

連れていった幼児には場面ごとの解説が必要だったので私も鑑賞にばかり身を入れてはいられなかったが舞台は始終笑い声に包まれていた。あぁ、たのしかった・・・。

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